生態観察&撮影

今回は最近行けていなかった調査ダイブ!
初心に帰りましてカメラを片手に大村湾湾奥の生き物たちと向き合ってきました。

やはりこの時期にはアマモに暮らす生き物は欠かせません
例年よりアマモがかなり少ない状況ですが、それでも十分に楽しめます♪

こちらは擬態名人のツノモエビ
アマモに付く時は深緑色になる綺麗なエビです。
ちなみに、ホンダワラ類に付く時や枯れかけたアマモに付いているときはちゃんと茶色になります。
不思議ですね。エビたちも同じように色が見えているのでしょうかね~

水温が上がり、ドライのインナーが薄くても1時間は平気で潜れる季節になりました。
それに伴い、生き物たちの生態行動も活発化しています

まず目を引いたのはヘビギンポの産卵
これも大村湾ではこの時期に良く見かける光景です。
あちこちの岩陰でメスを呼び込んでいるオスを見かけますが、
なんとこちらでは2匹のメスを相手にしている絶倫オスがいました。
写真中央の黒い婚姻色を出している個体がオス、両隣がメスのまさに両手に花!

そして、ついにナベカ達の産卵も始まりました!
ということは、卵を孵化させる仔魚放出も早ければ来週・再来週から始まるかもしれません。
大村湾で潜り始めた6年前に初めて目にした仔魚放出の瞬間は今でも覚えています。

ここしばらくは他の生態を追うのにかまけて、少し控え目な案内になっていましたが、
今年は改めて初心に帰り、ナベカの仔魚放出もしっかりガイドしていきたいと思います。

ナベカの産卵を撮影していたら、下の方からお邪魔むしが登場
アカオビシマハゼ君
こちらも絶賛産卵&卵保護中のハゼです
好奇心が強いのか、すぐにポートの前までやってきます。
それにしてもジャマだなぁ

今回はなんだかんだで久しぶりにマクロレンズを持ってじっくり撮影ダイブをしてきました。
僕にとっては見慣れた生き物達ですが、改めてじっくり向き合ってみると1時間を超える潜水時間があっという間に過ぎていく程、夢中になっていました。

さぁ、いよいよ大村湾も生態シーズンに突入です!
これからのお勧めは
①ナベカの産卵&仔魚放出
②アマモ周辺の生き物
③ヘビギンポ&アカオビシマハゼの産卵

といった感じです!
来月になればここにいよいよマダラギンポも参入してきそうですよ~
お楽しみ!

辰の口でミジンベニハゼとか

長かったゴールデンウィークも最終日ですね
今年は天候にも恵まれ大満足の海日和でした♪

さて、今回は辰の口へ行ってきました。
透明度も少し回復してぼちぼち良好♪

浅瀬にはカタクチイワシとキビナゴが大量に群れていてとても綺麗でした!
ゲストと一緒に巻かれました~

久しぶりにミジンベニハゼにも会えましたよ~
割と大きな個体がペアで住んでいました♪
水深もミジンにしては浅いな~と思える13m程で見易い所です。

ウミカラマツにはペアのオルトマンワラエビ
以前はカラマツに乗らず岩にくっついている事が多かったのですが、最近は空気を呼んでちゃんと乗ってくれてます♪

その他、イボイソバナガニやゼブラガニ、オドリカクレエビやハシナガウバウオといった外海側らしい生き物たちを見て楽しんできました♪

さて、連休は終わりますが、これから夏に向けてダイビングシーズンが始まりますね!
皆さんのお越しお待ちしています♪

大村湾でウミウシパラダイス

こんにちは
海だより中村です。
GWも残すところあと2日になりましたね!
外海に大村湾とあちこち潜り廻っております♪

この日のご案内は大村湾

大村湾ではウミウシ類がとにかくたくさん見れてます♪
サクラミノウミウシ・アカエラミノウミウシ・アオ・シロはもちろん、ゴマフビロードウミウシやシロイバラウミウシ、代々ウミウシ・キヌハダウミウシ・ヒロウミウシ・ヤマトウミウシ・サガミイロウミウシ等、種類も多いですが数が圧倒的に多いのもこの時期ならではです。

ひょえ~!!
巨大なクロヘリアメフラシが集団産卵じゃぁ~!

カンザシボヤの楽園は相変わらず健在です♪
実はここにきて少しだけ変化が見られています。
まだ経過観察中ですので、詳細がわかりましたらブログでご報告します。

カンザシボヤを撮影するゲストさん

黄色い海綿でオシャレしたアケウス
このポイントでちょこちょこ見かける可愛いカニです。
写真でどこにいるかわからない方は「アケウス」で検索を!

ということで、
この日はホヤだけでなくウミウシ盛だくさんの1日でした。

辰の口でファン&体験ダイビング

いいぞいいぞ!
今年のGWは天候に恵まれてダイビング日和が続いています♪

今回は辰の口でのファンダイビング&体験ダイビング!
まずは体験ダイビングの様子をどうぞ~

今回の体験ダイバーは親子でのご参加でした♪
実はお母さんはダイバーで、娘さんが体験ダイビング!
潜ってみると、娘さんもとっても落ち着いていて海の中を楽しんでました♪

2人並んでハイチーズ!
水温が高くなってきたこともあり、水中は全然寒くなかったそうです♪
良かった良かった!

一方、ファンダイビングでは巨大ツバクロエイが登場!
どうやらエイたちの出産の時期が今年もやってきたようですね♪
これからツバクロエイに会う頻度が上がりますそうです!

ベニウミトサカに乗るオルトマンワラエビのチビッ子!
う~ん!良い所に乗ってるなぁ!
これはコンデジでも良い感じに撮れたぞ~!

そしてハナイカも登場してくれました♪
こちらも産卵期に入り姿が見易くなりました!
ハナイカを見に行くなら今でしょ!

ということで、ゴールデンウィーク長崎も盛り上がってます~!

ホヤホヤ?

GWいかがお過ごしですか?
今回は大村湾をご案内してきました♪

ナベカ祭り開催中と昨日お伝えしましたが、
場所が変わればホヤ祭りも継続中して大賑わいです♪

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枯れたホヤも目立つなぁ~
と思っていると・・・

むむむ!!
これは一体!!?

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一方、浅瀬(水深2m)の藻場もとても良い感じ。
メバル達が悠々と泳いでいます。

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ゲストさん、海藻の中にどっぷり腰を据えて狙うはキヌバリの若魚なり

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キヌバリだけでなく、チャガラやメバルの幼魚たちも群れてとても癒される光景です♪

ちなみに、ホヤの楽園は近日中に消失する可能性が高いです。
来年も同じ規模の群落が出来るとは限りません。
リクエストはお早めに!

ナベカのシーズンが始まりました

GWは連日ダイビング日和が続いています。

昨日は大村湾でナベカ祭り開催してきました!

季節はすっかりナベカの恋の季節
あちこちで婚姻色を出したナベカ達が顔を出しています!

こちらはメスたち
緑の芝の上で女子会開催中

求愛するオスと気のある素振りをするメス

ナベカシーズンイン!!

黄金ホヤウィーク

こんばんは!
海だより中村です。

GWが始まりましたね~
昨日・今日と長崎はとても良いお天気で、絶好の海日和でした♪
ゲストさんと一緒にそりゃ~もうホヤづくしです♪
見頃は5月中旬で終わりでしょうからね!

まだまだこんなにホヤだらけ!

ホヤ&ホシノハゼ

先が割れたホヤ

ホヤホヤ?(おやおや?)
枯れてきたホヤ

ウミウシもたくさん嬉しいな♪
ゴマちゃんたくさん出現中

そして黄金週間は続く…!!

今年はわりと余裕がありますので、急な参加もお待ちしてます♪

ホヤ、クライマックス!!

ラストが近づいてますよ~!
いよいよホヤの楽園のフィナーレが近づいてますので、見たい方はお早めに!!

みなさんこんにちは
海だよりの中村です。

変な時期に風邪をひいてしまいました。
熱はすぐに下がったので一安心ですが、病院で診察して頂くと咽頭炎になっているとのこと。
季節の変わり目は皆さんもお気をつけて!

冒頭にも書きましたが、カンザシボヤの楽園がいよいよ最終局面を迎えています!
先週末ゲストさんと一緒に見に行ってみると、写真の通り、まだまだたくさんのホヤを見る事が出来たのですが、、、

所々に枯れたホヤの姿も見かけました。
予想は長くても5月中旬頃まで、ゴールデンウィークは大丈夫そうですが、近いうちに見られなくなりそうです。
これを逃すと見られるのは来年の1月以降になりそうですので(来年も群生するかは不明ですが・・・)
今年中に見たい方はぜひ早めにお越し下さい♪

浅瀬の藻場ではキヌバリ達がスクスクと育ってます♪
大人のチャガラ達の姿が減ったので、間もなくたくさんの幼魚も出てくる頃かな。

ホヤの楽園もいいけど藻場でのんびりハゼ達と遊ぶのも楽しい♪
写真はキヌバリを撮影するゲストさん

ということで、ホヤはいよいよクライマックス!!
リクエストお待ちしてます~

海中で畑仕事を始めました。

海の中で畑作り!
ということで、今日は1日かけて海の藻場づくりに勤しんできました。

今年は大村湾の湾奥にあるポイントに異変が起こっています。

数日前のブログにも掲載しましたが、
海藻・海草共に成長が悪く、海藻が最も生い茂る春だというのに例年のように繁茂してくれません。
僕が潜り始めた7年間で最も海藻類の生育が悪い年になりました。

お世話になっている漁師さんとも話をしたのですが、
やはり海藻がとても少ないと海の異変を感じていました。

とりわけ、アマモは昨年の1%程しか生えていないありさまです。
去年の状況と比較してみると一目瞭然。
写真の通りです。

これは困りました。
例年であれば今頃はアマモの中にタツノオトシゴを始め、ヒメイカやアミメハギ、オクヨウジ等が繁殖の為に集まり、5月以降にはカミナリイカが産卵に訪れる大切な場所になっているはずでした。

実は過去にも1度、他のポイントでアマモの消失を目撃しています。
それまで港一面に生えていたアマモが翌年から全く生えなくなり、それは5年以上経過した今も続いています。

そんなことがあったものだから、
さすがに今回のアマモ消失は黙って見過ごすわけにもいきません。

ということで、こんな事をやってみました。

まず、アマモが無くなった理由を考えました。
昨年繁茂していたことを考えると、アマモの種子は十分にあったはずです。
(ちなみにここのアマモは一年草です)
アマモの発芽には淡水にさらされる必要があるのですが、ここは地下から湧水が今も出ているので、それも問題無いと思われます。

消失したアマモ場を復元する為に頻繁に行われている事と言えば、アマモの移植です。
移植地点からそう遠くない場所にある別の健康なアマモ場から苗を採取し、それを移植します。
(アマモは地域によって遺伝的差異があるため、全く異なる海域から移植する事は避けないといけません。)

しかし、実はアマモの移植は過去に何度も行っていたのですが、
これまで一度も移植したアマモが通常通りに成長した事がありません。

去年までアマモが繁茂していた場所であっても、消失した後に移植を行うと満足に育たないのです。
それだけでなく、消失後にも僅かに生えてくるアマモは全て葉が細く、十分に伸びる前に枯れてしまいます。

ということで、ただアマモを移植するだけでは恐らく一時的なアマモの復元にしかなりません。

気になるのはアマモだけじゃなく、周りの海藻も全般的に生えていないことでした。
もしかして、海藻の生育に必要な栄養素が十分に無くなったのかな?

そういえば、昨年は僕が潜ってきた中で最も海藻が良く育っていた年でした。
春~夏にかけて浅瀬のゴロタにはホンダワラ類が繁茂し、砂地一面をアオサが覆っていました。

そこで、もしかすると海中あるいは海底には海藻の成長に必要な栄養が蓄えられていて、
それを去年の海藻類がほとんど使ってしまい、今年の藻類が成長するのに必要な栄養が未だ十分に供給されていない事が原因じゃないかと考えました。

ということで前置きが長くなりましたが、
今日用意したものがこちらです。

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移植用のアマモと、家庭菜園用の化成肥料です!!

先に言っておきますが、僕は至って大真面目です。
本気で考えた結果、思いついたのが家庭菜園と同じように海中で土作りをするという事でした。

そもそもアマモは植物
植物ならば稲や大根を育てるようにすればアマモも育つはず!という結論です。

とはいえ、僕はこれまで家の小さな畑でも野菜を満足に育てられたことが一度もありません。
土作りになにをすればいいかも良くわかりませんが、水中に撒けそうな肥料がこの化成肥料だったのです。

アマモに必要なリンや窒素といった栄養は十分に揃っています。

まずは昨年までアマモが生えていた地点に化成肥料を撒きます。

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白い粒々が化成肥料です。

家庭菜園が趣味の父親には撒きすぎを指摘されましたが、僕にはさじ加減がわかりません。
そもそも誰も水中で肥料なんてやったことがないんだから、とりあえず直感便りで進めます。

続いて、化成肥料を海底の土に混ぜ込んでいきます。
窒素とリンを~
レッツら混ぜ混ぜ~

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波で肥料が散る事を防ぐ目的もありますが、化成肥料は水に溶けやすい性質があるため、
表面で大事な栄養が失われる前に土の中に溶け込ませる作戦です。

十分に混ぜたところで、アマモの移植を行います。

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アマモの移植には、「葉」よりも「根」を大切に扱わなければなりません。
葉が枯れていても、根が健康であればそこから新たな葉が次々に伸びていくからです。
しかし、これまでの移植では根が伸びる事がまずありませんでした。

果たして肥料作戦は効くのか・・・

同様にして4カ所にアマモの移植を行いました。

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もし土作り作戦が上手くいけば、5月~6月にかけてアマモの数が増え、葉が1m近くまで伸びていくはずです。
失敗であれば、このまま枯れていきます。

畑に化成肥料を撒きすぎると、肥料負けして枯れてしまう事もあるようです。

初の試みですので、上手く行く可能性はとても低いと思いますが、
成功すれば大きな一歩です。
失敗した時はまた作戦の練り直しです。

取り敢えず次は追肥のタイミングを伺いながら、成長をチェックしていきます。

つづく・・・!!

今年のタツ情報とアマモ復活プロジェクト!!

ハロハロー
皆さんお元気でしょうか?

ゴールデンウィークもギリギリまで皆さんのお越しをお待ちしている海だより中村です。

昨日は春の嵐が襲来していた長崎ですが、今日は良いお天気になりました♪
早速、海情報をお伝えしていきましょ!

まずは皆さんが気になっているでしょう今年のタツノオトシゴの情報について

実は、今年はタツノオトシゴをご案内しているポイントの環境が悪化していることもあり、
昨年までのように、高確率で産卵や孵化をご案内する事が難しい年になっております。

先日の調査ダイブですでにタツノオトシゴの抱卵が始まっていることを確認しておりますが、
今年はもし見られたらラッキーと思って頂けると幸いです。

ちなみに、現在確認できている個体に関しましては、大凡ですが5月の2週目~3週目にかけて孵化が行われる可能性が高くなっています。

そして、水温も徐々に上がり始め、ナベカを始め各種大村湾の生物達が活動を始めております。
順調に進めば6月には例年のようにギンポ類の繁殖行動も見る事ができそうです♪

一方、冒頭に少し上げましたが、日ごろよりご案内しているポイントに今年は環境異常が起こっています。
例年ではあれば、今の時期にアマモが繁茂している場所へ行ってみると・・・

ポツン・・・

アマモが伸びていません。
ちなみに昨年の様子はこちら

カミナリイカが産卵に訪れる程に茂っておりました。

それがたった1年で全く生えない環境に。

実は過去にも別のポイントで同じ現象を体験しているのですが、そのポイントは5年以上経過した今でもアマモが生えていません。
全国的にもアマモ場の消失が問題視されていますが、根本的な解決には至っていないようです。

しかし、このまま指をくわえて見ておくつもりはさらさらなく、
原因追究とアマモ場の復活に向けて、早速取り組んでいこうと考えている所です。

全体的にマイナス印象の話題となってしまいましたが、ご安心下さい!

環境変化が起こり易い大村湾ですので、このような変化も予想しておりました!
その為、これまでと同じか、それ以上に楽しむ事ができるポイントも開拓しております。

次回からは、夏に向けて活発に動き始めた生き物たちの様子と、アマモ場復活プロジェクトの様子をアップしていこうと思いますので、
お楽しみに!!

ちなみに、ゴールデンウィーク期間はまだ空きがありますので、
皆さんのお越しをお待ちしています~!